【Letter from...】@yuhanwangyuhan
“In me the tiger sniffs the rose,” - Siegfried Sassoon.
Central Saint MartinsでBAとMAを取得した中国人デザイナーのYuhan Wang(ユハン・ワン)は、2018年にロンドンを拠点に自身の名を冠してウィメンズウェアブランドを設立させた。2016年にはL'Oreal Young Talent Awardの準優勝を果たし、卒業後はMarniのウィメンズウェアデザイナーとしても活躍。
また、London Fashion WeekではFashion Eastにて3シーズンにわたり作品を発表し、2020年にはLVMHプライズの最終候補にも選ばれた実力派！中国の伝統的な女性美と西洋文化の融合を探求し、柔らかさの中に真の強さをデザインを通して表現している。
そんな彼女は、今年もLondon Fashion Weekにて『The Rose Fist（バラの拳）』と題し2025年春夏コレクションを発表。
変わらず女性の精神に対し敬意を示して、男性主導のボクシングの世界で障壁を打ち破っただけでなく、文化を再定義し、自らの条件でエンパワーメントを形作った先駆的な女性ファイターたち、アライア・アリ、バーバラ・バタリック、ブリジット・ライリー、ジェーン・カウチ達からインスピレーションを得たという。
強さと優美さのバランスを取りつつも、センシュアスなChantilly Laceで作られたアスレチックレオタード、バイカーショーツやタンクトップにバレリーナのチュチュを彷彿とさせるスイングスカートと組み合わせられている。
ボリューム感のある肩パッドを備えたシルクのトップスには、レースのトレーンや3Dのフローラルモチーフが装飾されており、ボクシングの防具をも思わせる。さらに、ウエストを強調するコルセットには、リボンや手描きの数字が装飾され、スポーツギアを連想させつつも、遊び心あるフェミニンさを加えたYuhan Wangの特徴が表れていて愛らしい。
もちろん、ボクシングショーツはレザー、シルク、レースで登場。シルクや柔らかなレザーで精緻に作られたボクシンググローブが、力強さとエレガンスの調和を際立たせている。
また、ボリビアのエルアルトで活動する女性レスラーのグループ『ファイティング・チョリータ』からインスピレーションを得て、レースやナイロンで作られ、低めの位置には誇張されたパニエが付いたボリューミーなスカートも登場。
デッドストックの端切れを再利用し、フィット感のあるスリップドレスやミニスカートとして再構築されているのも注目ポイント！
シューズには、Yuhan Wangの定番である19世紀風の上品なコートシューズが、ブロックカラーのパネルやメッシュインサートを取り入れ、より一層スポーティな要素が加えられている。
強い意志と繊細なフェミニニティが絡み合う二面性を体現しており、女性ファイターたちの大胆な精神とYuhan Wangのロマンティシズムが融合したコレクションとなった。
バレエコアの次は、レースやシルクを取り入れてロマンティックでありながら、強くしなやかでスポーティーなファイタースタイルがSS25のキーポイントになるかも！
Yuhan Wang SS25 "The Rose Fist"
translate&word/ ＠yurina_lily