【Encounter...】@balenciaga
4/27、東京・銀座にBALENCIAGA初のフラグシップストアがオープン。
オープンを記念して開催された、クリストバル・バレンシアガによるBalenciaga Coutureの貴重なアーカイブから厳選されたセレクションが並んだ展覧会 "DRESSES BEYOND TIME"をレポート!
CIRCA 1950
バスクシルエットのプリーツスカートは未完成のため仕付け糸がついたまま。
BALENCIAGAの創設者であるクリストバル・バレンシアガは母親が洋裁の仕事をしていたこともあり、3歳から裁縫をスタート。
12歳にしてテーラーでカッティングを学んだり、見習いとして働き始めていたという早熟の天才デザイナー。
デッサン、デザインはもちろん型紙、裁断、縫製に至るまで全て1人で作り上げることができたことから、クリスチャン・ディオールを始めとする数々のデザイナー達が「クチュリエの師」と仰いだことでも有名。
クリストバルが引退した1968年以降はプレタポルテのみの発表だったが、現在のデザイナーであるデムナが2021年にオートクチュールを再開させた。
展示はストアの3階から始まり、2階へと階段で降りていくルート。
貴重なデザイン画や顧客へのプレゼンテーション用のデッサン、そしてクリストバル時代の貴重なアーカイブが13点、広々としたストア内に贅沢に展示されていた。
WINTER 1956
アイスブルーのシルクベルベット製カクテルコート。
WINTER 1949
ピンクのシルクファイユにブラックのチュールにビーズ刺繍を施したイブニング・シースガウン。
2階へ降りると、職人の手によって修復中のドレスが作業スペースごと展示されていた。
シルク糸を紅茶などで染めて生地に近い色を作り出して、
全て手作業で選ばれし職人達だけが修繕していくという。
展示されているドレスの中には持ち主だった顧客から買い戻して修復していたりと、全てのアイテムごとの見所ポイントや50〜60年代当時のBALENCIAGAのデザインの解説や製作秘話も聴けて、更に理解を深めることができた。
WINTER 1954
18世紀のア・ラ・ポロネーズスタイルのイブニングガウンのデザイン画のフロントとバックスタイル。
実際のイブニングガウン。
損傷を防ぐ為にくるみボタンのあるバックサイドを上にした状態で展示しているという。
縫い付けられたビーズやスパンコールなどの装飾の重みがこれ以上負担にならないよう、大半がシルクペーパーのベッドの上に横たわらせてあったのだが、ドレスのデザインに合わせてより美しく見えるようシルクペーパーの置き方も変えているそう。
WINTER 1954
摩擦によってレースが破れてしまったり、変色してしまっているものの、
刺繍が美しいシルバートーンレースのカクテルドレス。
SUMMER 1960
雫の形に縫い付けられたパールの見本とデッサン画と裾のディテール。
右肩は刺繍部分が破れており、所々パールも外れてほつれも見受けられる。
WINTER 1965
ピンクのシルクガザールのチューリップドレス。
WINTER 1965 のデッサン画。リボンが腰の位置に縦についているのは、日本の着物の帯から着想を得たからだとか。
WINTER 1962
花びらの形にガラスビーズやリボンが刺繍されているイブニングボレロ。
デザインにちなんでシルクペーパーもバラの花のようになっていた。
経年劣化により、トルソーに着せることもままならないアーカイブも多い中、美しいカッティングのシルエットとビーズ刺繍などの繊細なデザインは色褪せることを知らず、過去と現在を繋ぐBALENCIAGAのクリエーションの真髄を目の当たりにできる貴重な体験だった。
BALENCIAGA GINZA TOKYO FLAGGSHIP
東京都中央区銀座7-8-6 1-3階
all photo by @yurina_lily